給湯流名物その6 はみ出し御免の怪物くん 銘「おおよそ」
「給湯流アニメ茶碗の旅」の連載第6回目となりました。今回は茶碗も語りどころが多い回です。『怪物くん』(モノクロ版: 1968年- 1969年 カラー版:1980年-1982年)の茶碗を紹介いたします。
「元ご飯茶碗が国宝になっている」と聞いてみなさんは信じられるでしょうか。
本連載は題して「給湯流茶道 アニメ茶碗の旅」。
この連載は、「昭和レトロ」グッズとして扱われている子供向けのご飯茶碗、アニメ茶碗を茶器の名物として紹介していく連載です。
「給湯流アニメ茶碗の旅」の連載第6回目となりました。今回は茶碗も語りどころが多い回です。『怪物くん』(モノクロ版: 1968年- 1969年 カラー版:1980年-1982年)の茶碗を紹介いたします。
アニメ茶碗を茶道の名物として扱う、などという話は聞いたことがないかもしれません。私たち給湯流茶道ではアニメ茶碗を至高の茶器として大事にしています。
「給湯流?」といぶかしく思われる方もおられるでしょうから僭越ながらご紹介申し上げます!2010年に設立された流派で、コンセプトは「忙しいビジネスパーソンのための茶道」でございます。
茶道というと仕事とは縁遠い習い事のイメージがあるかもしれません。しかし!歴史を振り返るとかつて茶道に熱中したのは戦乱の世に日々の業務に奮闘していた戦国武将でした。今日の味方は明日の敵(寝返り)ということも珍しくない厳しい仕事環境の中で彼らは合戦の合間にお茶を点てて呑み、名物茶碗を愛でて会話し交流を図り、ときにはハードな交渉を行っておりました。
これは現代で言えば厳しい予算と業績目標、あるいは朝のニュースで知らされる勤務先の買収、M&Aに翻弄されるビジネスパーソンと重なる…!
そんな着想を得た家元・谷田半休(たにだはんきゅう)の発案により10年以上前に結成されたのが私たち給湯流茶道です。
名前の通り給湯室で茶会を行うグループです(※参考資料①)。私はその一員の伊藤飛石連休※1と申します。本業は著述業※2で、ほかに農家業やモンゴル遊牧キャンプを企画運営したりする自営業を生業としております。
※1.茶道の流派では、一定期間の稽古を終えると茶名がもらえる。給湯流茶道では、「休」という字を与える習わし。ほか、半休(家元)、全休、無休、振休など。
※2.「ナリワイをつくる-人生を盗まれない働き方」、「イドコロをつくる-乱世で正気を失わない暮らし方」(ともに東京書籍)など
さて、第二回に紹介するアニメ茶碗の作品名は「ハクション大魔王」(1969-1970年放送.全52回104話)。1979年生まれの筆者にとっては、再放送や、懐かしのアニメ特番で見かけた作品です。
「給湯流アニメ茶碗の旅」の連載第4回目は、時代をさらに遡り1957年開始の漫画、のちラジオドラマ、特撮テレビドラマにもなった「まぼろし探偵」の茶碗を紹介いたします。
「給湯流アニメ茶碗の旅」の連載第5回目は、ついにこの作品です。アニメ史の最高傑作と言っていいかと思います。テレビシリーズ『アルプスの少女ハイジ』(1974年)の茶碗を紹介いたします。スイスの作家ヨハンナ・シュピリの『アルプスの少女ハイジ』(1880年)が原作のアニメシリーズです。
仕事づくりレーベル「ナリワイ」代表。シェアアトリエの運営や「モンゴル武者修行」、「遊撃農家」などのナリワイに加え、野良着メーカーSAGYOのディレクターを務め、「全国床張り協会」といった、ナリワイのギルド的団体運営等の活動も行う。
執筆活動も行っており、新著に『イドコロをつくる乱世で正気を失わないための暮らし方』(東京書籍)がある。ほか『ナリワイをつくる』『小商いのはじめかた』『フルサトをつくる』(すべて東京書籍)を出版。
給湯流公式サイト:http://www.910ryu.com/
Twitter(家元):https://twitter.com/910ryu
Instagram(家元):https://www.instagram.com/tanida_kyuto_ryu_tea_ceremony/
伊藤洋志個人:https://twitter.com/marugame