TRACEについて
やきものの素材には様々な種類の天然資源が使用されています。
それぞれの資源が残していった跡を辿り、インスピレーションを受け「TRACE(トレース)」は生まれました。
縞石
脱鉄スラッジ
本シリーズでは陶石の中で等級が低いとされ食器にはあまり使用されない「縞石(しまいし)」・やきものの生産の過程で生まれ、産業廃棄物として捨てられる「脱鉄(だってつ)スラッジ」の2種類の素材を利用。
縞石は鉄分を多く含む石で、“特上”の石(鉄分を含まない真っ白な陶石)と比べると石のランクが低く扱いにくいゆえ、肥前地区ではあまり使用されてきませんでした(※)。
(※昔から献上品を生産していた有田焼・三川内焼では真っ白なやきものが求められてきました。陶石はランク分けされており、最高ランクの“特上”は現在、天然物で1~2%しか取れないといわれています。)
TRACEをつくるなかで縞石の歴史を辿り、縞石の力強さ、そして太古の昔を感じさせる、縞石が持つ時間の流れに魅力を感じ、「TRACE/ブラック・ホワイト」の生地に縞石を使うことにしました。
BLACK
ブラックのボウルの内側には油滴天目のつややかな黒の釉薬をあしらい、外側は縞石の風合いを残すために釉薬をかけずに焼き締めました。縞石のざらりとした手触りは素朴な温かみを感じさせます。
WHITE
ホワイトのボウルには「脱鉄スラッジ」と呼ばれる、通常は産業廃棄物として捨てられる素材を釉薬の中に混ぜ再利用しました。より白い石を得るために鉄分の多い石を塩酸につけ、鉄分を除去する「脱鉄」という工程で出てくる鉄の部分を「脱鉄スラッジ」と呼びます。
今回、制作をお願いした波佐見町の光春窯では、脱鉄スラッジに特殊な処理をして塩酸を完全に落としてから焼き物の素材に使用しています。
「TRACE」には「跡、痕跡」という意味があります。熊本県天草の山から採掘された縞石の断面には、幾筋もの縞模様を見ることができます。この模様は1400万年前に陶石が熱水活動で酸性の地下水に浸されて、陶石の中の鉄分が変色し縞模様として現れたともいわれています(諸説あり)。磁器の原料である天草陶石の深いリサーチによって生まれた、太古の昔を現代に感じることができるシリーズです。
マルヒロ公式ブログ「サラフチ」にて、天草陶石のリサーチを通じて知ったこと・見たことを紹介しております。
実際に陶石場を見学し、現場の方にお話を聞いてきました。資源枯渇問題よりも直近の課題としてあげられる「後継者不足問題」。資源を見つめなおすことを通じて、窯業界がこれから考えていかなければいけない様々な課題点が見えてきました。記事はこちらからご覧いただけます。
商品詳細
ブランド | BARBAR |
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シリーズ | TRACE |
アイテム | ボウル(S / M / L) |
全2色 | ブラック・ホワイト |
サイズ | S(φ14.8×H4.9cm / 500cc / 420g) M(φ18.5×H5.9cm / 900cc / 680g) L(φ22×H6.9cm / 1600cc / 1000g) |
How to use
重厚感があり、存在感がある器ですので、食器としてもインテリアとしてもお楽しみいただけます。Sサイズはスープやサラダを入れるボウルとして、Mサイズはパスタやチップスを、Lサイズはフルーツをたっぷり載せてフルーツボウルなどにおすすめです。
インテリアとしてお使いいただく場合は、水を張って花を浮かべて花器として、小物入れとしてお使いいただけます。
スタッキングして収納することができます。シンプルなデザインで、スタッキングして食器棚に収納してすっきりと見せることができます。
SMLを入れ子にしたときの美しさにこだわってデザインしてます。同じ色で揃えてもいいですし、ブラック・ホワイトを組み合わせて雰囲気を変えてみてもいいですね。
商品の裏側にはブランドのロゴマークがスタンプされています。
パッケージについて
S / グリーン
M / ホワイト
L / ブルー
オリジナルBOX付きです。FSC認証された紙をパッケージに使用しております。FSC認証とは「環境、社会、経済の便宜に適い、きちんと管理された森林から製品を目に見える形で消費者に届け、それにより経済的利益を生産者に還元する仕組み」のことです。MのBOXにはチョコレートの製造時に生じる「カカオ豆の皮(カカオハスク)」を、Lにはサプリメントを製造する際に生じる「ブルーベリーの搾りかす」を紙の原料に使用しております。梱包材を極力使用しないために、箱の構造を工夫しました。
上品なデザインで、大切な方へのプレゼントにもおすすめです。