甘酸っぱい毎日を夢見てる、シェアハウスで暮らしてる、フリーランスフォトグラファーの初老男子、なにかと苦じょっぱくなりがちです。なまえはかおたんです。
先日引っ越しをしまして、7年近く住んだシェアハウスを離れて久しぶりの一人暮らしを始めました。
実家を出てからシェアハウスでの7年間も含め20年以上と長い年月を同じ地域に住み続けたこともあって、新しい地域への引越しは想像を遥かに超える大変さで心身ともにものすごく消耗しました。
慣れない地域での暮らし、新しい環境での仕事、容赦なく続く日常、慌ただしく過ぎて行く時間の中ですっかり浮き足だっていた僕は地に足のついた毎日を夢見てせっせと巣作りに励んだのでした。今回の引っ越しは僕に、足を地につけることの大切さを改めて教えてくれました。
苦じょっぱい 浮き足だった 毎日が
息をするように写真を撮りたい。そんな風に思うことがあります。
お仕事で撮影するときは、自分の感覚だけで撮影するわけではないので、写真の使用目的、クライアントさんや著者さん、編集者さんやデザイナーさんのご意見、ご希望をお聞きしながら自分がどんな風に表現したいのかを考えてシャッターを押します。撮影目的×その場の空気感÷今までの経験=作品。みたいな。撮影は基本的には現場でのアドリブの連続なのですが、自分の理想とする写真を求めながらも、現場にいるスタッフ全員が納得のいく作品に仕上がるように、しなやかに力強く形にできたら良いと思います。
息をする事は誰に教わった訳でも無いのに、誰でも当たり前にできています。写真を撮る事をそれと同じレベルでするにはどうしたら良いのか。それは日々理想の写真を思い浮かべながらシャッターを押し続ける事です。ああしたい、こうしたいと試行錯誤を繰り返しながらシャッターを押し続けていると、いつの間にか押せば写るようになるんです。息をするように、ただシャッターを押せば、撮りたいと思う写真が、写るんです。
色々な人の意見やたくさんの条件がある現場で、押せば写る、それを感じられる時、僕は地に足がついていると実感をします。それはめちゃくちゃ気持ちのいい事です。押せば写るに至る長く果てしない道を踏み締めてきた達成感なのかもしれません。
押せば写る、そんなシャッター。蹴ったら跳ねられる地面。いざ固めておかないと困ってしまう足場を堅実に育てる気持ちを大切に、波佐見焼のある暮らしの中に甘酸っぱい毎日を探してみたいと思います。もしかしたら、あなたの毎日も甘酸っぱくなるかもしれません。
第11回ではハサミ焼きの6つの工程の中から、型屋さんの作業風景を見学させていただき、型屋さんの先を見つめる視線の輝きという井戸端会議の結晶の秘密に迫りました。
今回は生地屋さんと窯元さん、商社さんの作業風景を見学させていただきます。これらの工程から井戸端会議の結晶の秘密に迫ってみようと思います。
まず訪れた生地屋さんには、前回伺った型屋さんで作られ使用型が積まれています。