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第8回 「HIROPPA」

2022.06.17 (金)

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甘酸っぱい毎日を夢見てる、シェアハウスで暮らしてる、フリーランスフォトグラファーの初老男子、なにかと苦じょっぱくなりがちです。なまえはかおたんです。
Happy birthday 梅雨. というか to me. 6月生まれの双子座男子それがかおたんです。かおたんは初老の階段をまたひとつ登りました。東京は梅雨真っ盛り、恵の雨が東京砂漠を潤す季節です。雨は憂鬱だけれども、梅雨寒でちょっと涼しい毎日は、意外と悪くない気候だななんて思ってしまうのは誕生月贔屓なのかもしれません。誰にも迷惑をかけない贔屓はいくらでもしていいのです。雨季をウキウキに過ごす贔屓祭りを開催すれば、もしかしたらあなたの毎日も甘酸っぱくなるかもしれません。

なんでもないようなことが幸せだったと思う。僕はあって当たり前のものをなかなか意識できなくて、失くした時に初めてその価値に気付くことがあります。
先日車を運転していて高速道路に乗ろうとしたらETCの入り口のゲートが開きませんでした。当然開くと思って運転していたのでとてもびっくりしました。ゲートのバーをへし折るかと思いました。僕の車のせいでプチ渋滞を起こしながら係員さんに現金で料金を支払うこの手間と後続車に対する気まずさに、いつもスイスイと通れるETCのゲートを幸せだったと思わざるを得ません。原因はETCカードのセットし忘れでした。当たり前を意識する以前に、当たり前を実行しようと思うかおたんなのでした。

あって当たり前のもの。子供の頃から遊び場として親しみ、大人になった今も友達とピクニックをしたりしているあの広場。公園です。誰が作ってくれたのかなど考えたこともなく、当然のものとして利用していました。
そんなあって当たり前のもの、公園をマルヒロさんが本拠地である波佐見町に作ったということで遊びに行かせて頂きました。

その名はHIROPPA。広っぱですね。広々とした所を意味する言葉を名付けられた公園がどんな場なのか、HIROPPAのフラッグシップストアで働く、会いに行ける店員さんの光くんに案内して頂きました。若さ弾ける好青年です。
駐車場には南国風情を感じさせる木々が元気に植えられています。HIROPPAと描かれたペイントもカラフルでとっても可愛くソテツの木とマッチしています。気分が開放されていくのを抑えられません。僕たちキウイパパイアマンゴだね。

駐車場から進むと解放された気分を邪魔することなく、フラッグシップストアと公園をつなぐ解放的なエントランスに入ります。公園の至る所に笑顔と気持ちの良い風が吹き抜けます。入り口でお出迎えしてくれる土偶も心なし笑顔です。ハッとして土偶。

エントランスからすぐアクセスできるストアに案内して頂きました。建物に入ってすぐ、「こんにちは〜」と少し変わった、でも癖になる調子で挨拶してくれるのは、ストア内にあるカフェOPEN ENDのスタッフの田島さんです。こちらで搾りたてのオレンジジュースを頂きましたが、とってもとっても甘酸っぱくてマジで搾ってくれた田島さんに恋する5秒前でした。マシュマロの入ったねっちりしたスモアクッキーなどお菓子も田島さんのお手製でとても美味しいです。もうメロメロです。もしかして口説かれてるのかなぁと錯覚に陥ります。

エントランスからフラッグシップストア入り口まで敷き詰められた柔らかな乳白色の白い砂利、これはやきものの原材料である天草陶石を細かく砕いた砂利です。熊本県の天草の山の中からやきものになるためにやってきました。マルヒロさんのやきものもこの石から作られます。陶石を初めて見たので、ちょっと感動しました。

ストア内にはいろいろなアーティストさんの作品を展示販売するギャラリースペースもあります。中にはアーティストさんが手がけた一点ものの作品もあります。光くんが眺めているのはフェイス花瓶という商品です。頭から花が生えている景色を思い浮かべると自然と財布の紐が緩みます。

ストアにはマルヒロさんの商品や公園で遊べる玩具なども売っています。いつも拝見しているマルヒロさんの商品ですが、一度にいろいろな商品を見られるのはとても楽しく爽快です。どれをお迎えしようか悩んでいたあれやこれを見比べながらお買い物できちゃうのはとても嬉しいです。HIROPPA限定の商品も展示販売されています。

ストアから外に出るとそこにあるのは、さんかくのだんだんへこみです。三角のえぐれは突然に、真っ赤な異空間は物凄い異物感を放ちつつ、意外にも居心地の良い憩いの場を与えてくれます。

公園内のあちこちに置かれている緑のもふもふ、芝クッション。自由に持ち出して公園内の至る所でくつろぐことができます。地面と地続きになったような寝心地です。

この日の一番人気はこちら、あみあみジャングルでした。子供たちが網の上を伝って遊んだり、網の下に芝クッションを持ち寄ってみんなで寝転びながらゲームをしたり、自由にのんびりしていました。

大人も遊べる頑丈な網です。僕の体重でも大丈夫でした。網の上に寝転んだらロースハムとかあだ名がつきそうです。

ネオンカラーのかわいいペイントをされた滑り台やジャングルジムもあります。光くん楽しそうです。いくつになってもこういうピカピカの笑顔で遊べたらいいですね。

この公園にはビーチがあります。やきものビーチです。ピカピカ笑顔の光くんには、当然砂遊びもお似合いです。壁画のウツボもご機嫌です。

このやきものビーチの砂はなんと、B品以下の売れないやきものを砕いて角を取って砂にしたものです。とってもサステナブルです。夏場はビーチに水が張られて水遊びもできちゃいます。

ひとしきり遊んだ後は、ストア内の水道でしっかり手を洗いましょう。どんなことでもサラリと水に流せるしなやかな大人になりたいです。

水道のシンクにも天草陶石が敷き詰められています。雨から川に、川から海に、海から空へと循環する水のようにこの公園もいろいろなものが循環してできているように感じました。波佐見焼というレンズを通して出会ったアーティストさんやマルヒロスタッフさん、お客さんが絶え間なく循環する広場。こんな当たり前な場所が近所にあったら素敵です。失う前から大切だったと思えちゃいます。

出来たばかりのこの公園に生えている木々は今も日々成長をしていて、3~5年後に一旦見ごろを迎えるそうです。それまでにもきっといろいろな人や物が循環するこの公園から目が離せません。生い茂った公園が待ち遠しいです。

当たり前は世界に溢れています。当たり前を当たり前と思わず過ごせたらありふれた世界はもっと輝きを増すのかもしれない。
ピカピカ笑顔と生まれたばかりの公園の眩しさに、目が眩みつつも目の反らせないかおたんなのでした。

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