甘酸っぱい毎日を夢見てる、シェアハウスで暮らしてる、フリーランスフォトグラファーの初老男子、なにかと苦じょっぱくなりがちです。なまえはかおたんです。
僕には季節の変わり目に感じる匂いがあります。あ、冬の匂いがした。季節の匂いです。
空気の匂いなのか、なんなのか自分にもよくわかりません。
季節の匂いを感じると新しい何かが始まるような、そんなとても前向きなワクワクとした気持ちが湧き上がります。毎朝こんな前向きな気持ちになる匂いに包まれたいのですが、残念ながらこれを感じるのは季節が変わった初めの日だけのようです。匂いに慣れてしまうのでしょうか。季節の変わり目にしか感じることのできない匂いとそれがもたらす高揚感、儚く刹那な瞬間に甘酸っぱさを見出します。そんな刹那の瞬間も楽しむ気持ちから、波佐見焼のある暮らしの中に甘酸っぱい毎日を探してみたいと思います。もしかしたら、あなたの毎日も甘酸っぱくなるかも知れません。
僕はオペラが好きです。中学生の時にテレビでやっていたオペラ「フィガロの結婚」を初めて観たときに衝撃が走りました。大袈裟でかっこいい衣装に身を包んだ歌い手が、とても意味ありげなセットの舞台の上で演技をしながらなんだかものすごい歌を歌う。会話も歌いながらする。しかも内容は酒池肉林の色恋沙汰。トキメかずにいられようか。
なんだか様子のおかしい魅力的な登場人物がたくさん出てきますが、僕のお気に入りはケルビーノという少年の役でした。彼には恋人がいるのですが、別の女性に猛烈に恋焦がれています。それにとどまらず劇中に登場する全女性にちょっかいを出します。多感な思春期真っ只中なのです。そんな彼が劇中に歌う曲が「自分で自分がわからない」と「恋とはどんなものかしら」です。全ての女性に恋をしてしまう、愛とか喜びとかそんな言葉を考えるだけで心がすぐに燃え上がり、かと思えば凍りつく、初めて覚えた欲望に満ちた恋心を歌っています。エモいです。この少年の役は女性が演じます。オペラの世界では女性が男性を演じる役をズボン役というそうです。多様性を大事にする昨今、映画やドラマの世界では同性愛者の役は実際に同性愛者の役者が演じるべきだなんて話もあるようです。そんなナウな話からのズボン役とか、もうその呼び方からして炎上要素しかないように思えますが、僕はこの思春期の少年の役を女性が演じる事にとても魅力を感じました。自分でもなんだかよくわからないものの狭間で悶え苦しむ少年の様を男装した女性が演じることに独特な甘酸っぱさを覚えます。
思春期まっさかりの中学生の頃の「自分で自分がわからない」かった僕は、ビデオに録画したフィガロの結婚を何度も繰り返し観ながら「恋とはどんなものかしら」と全登場人物に感情移入しては老若男女の恋模様を甘酸っぱく時に苦じょっぱく楽しんでいたのでした。
そんな思春期から早うん十年。僕もすっかり初老男子になったのですが、いまだに恋とはどんなものかしら状態です。
自分で自分がわかったのかというと、昔よりはちょっとはわかったような、やっぱりわからないような。
これって永遠のテーマなのかしらなんて考えていたらとっても甘酸っぱい気持ちになってきました。
恋とはね いったいどんな ものかしら
恋ばなのお花畑はいつだって満開、永遠のテーマについて語り合う準備はI’m readyです。
それでは、Are you ready? コイの話をHere we goしましょう。
今日語り合うのはコイはコイでも、マルヒロさんのC.O.Iの話です。
永遠のテーマを紐解いていきましょう。