茶碗はひっくり返して高台の裏を見るとわかりますが、白く目の詰まった生地です。完全に石ですね。いかにも固そうです。釉薬を柄杓でかけて仕上げた白磁杓掛け黒呉須流し。必殺技の名前みたいでかっこいいです。呉須とは陶磁器に絵付けする青藍色の顔料のこと。杓掛けした不均一な呉須の上に柔らかい白の釉薬でコーティング、砂糖菓子のようなその透明感がこのやきものをミルキィたらしめています。
目で見たものを自分の知識で解釈するのは、とても気持ちが良いことです。是非お手持ちのやきものを指で弾いてから観察してみてください。使い慣れたやきものも、いつもとは違った表情を見せるかもしれません。
今月はやきものがなんなのか、頭が爆発するかと思うくらい知ることができました。土器から始まりせっ器、陶器、磁器と発展する技術。どこから来て誰が伝えたのか。なぜ波佐見だったのか。とっても面白かったです。
苦じょっぱいと甘酸っぱいは背中合わせのフレイバー。目の前のことを丁寧に観察して知る事で、苦じょっぱいはきっと甘酸っぱくできる。そんな気がしているかおたんでした。