HIROPPAにはロボットの丘と呼ばれる場所があります。昭和生まれの僕にとって、ロボットといえば大きくて角張っていてとにかく強いイメージです。たまに合体します。だいたい無敵です。
そんな色眼鏡でHIROPPAを覗いてみれば、そこには灰色の大きな角張ったロボットがいるではありませんか。
カクカクとした色々な大きさの高低差も様々な立方体を組み合わせて出来たモルタル製のロボットが横たわっているかのような丘、それがロボットの丘です。よく見ると表面がひび割れた模様に覆われています。まるでやきものに見られる貫入のようです。このひび割れ模様は、当初塗装して仕上げる予定だったロボットの丘を、下地剤を塗った後に偶然現れた模様を良しとし、そのまま活かして完成にしたものです。やきもの屋さんの公園にふさわしい遊び心です。無敵のはずのロボットが傷つき倒れる表現は、嫌いじゃないむしろ好みの展開です。
このひび割れ模様が出来た仕組みはきっと貫入の入る仕組みと似ているのではないかと思います。貫入はやきものを焼成するときに、生地と釉薬の縮む大きさが違うことによって生まれます。やきものは焼いて完成するまでに必ず10〜15パーセントほど収縮します。その際に生地より大きく縮んだ釉薬がひび割れることによってappear するのが貫入です。
ロボットの丘のひび割れ模様はきっと、固まって動かなくなったモルタルの上で、均一に塗られた透明の下地剤が乾燥して縮んで割れることで出来た模様なのかと思います。天然物の無作為のひび割れ模様です。