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第4回 川久保農園さんのこと

2021.05.21 (金)

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波佐見町のお隣に位置する佐賀県有田町のとある住宅街の一画に川久保さんの畑はあります。

川久保さんの畑には自由にたくさんの野菜や花が植えられており、カラフルな畑は見ているだけでわくわくします。

西洋野菜やハーブ、食用花など、珍しい野菜を求めて地元のみならず、各地のシェフから注目されている川久保さん。普段は福祉系のお仕事をされており、本業の傍らで農業を行っています。

私が川久保さんを知ったきっかけは、有田町で定期的に開催されているTIMER ORGANIC FARMERS MARKETでした。

安心安全な野菜や加工品などを生産者と直接お話ししながら買い物が楽しめる、オーガニックファーマーそれぞれの想いやこだわりがたくさん詰まったとても素敵なマーケットです。

川久保さんは西洋野菜やハーブやエルディフラワーなどを販売されており、私が今まで食べることも買う機会もなかった食材がそこにはありました。

たくさんの種類のハーブやバジルが並べられている様子に、とてもわくわくしたのを覚えています!

(↑川久保さんの畑で採れたハーブや野菜)

マーケットで川久保さんの存在を知り、早速インスタグラムをフォローしました。

インスタグラムに日々投稿される野菜やエルディフラワーの写真を見て、今まで調理したことのなかった野菜やハーブやエルディフラワーを食卓に取り入れたいなと思うように。

2020年4月に、川久保さんのインスタグラムで「畑に野菜を採りに来てもいいですよ」という投稿を見て実際に畑にお邪魔しました。

マーケットではゆっくりお話をすることが出来ていなかったのですが、実際に畑に行き、畑一面に生えている色んな野菜やハーブ、エルディフラワーを見て採りながら、一つひとつとても丁寧に説明して下さったのを覚えています。

川久保さんと話していると、野菜を育てるきっかけや育て方、それ以外のことも全てに対してとても真っ直ぐな方だなぁと思いました。

何度かマーケットや畑でお会いしたことのある奥様もいつも笑顔でご夫婦揃って魅力的です。川久保さんの野菜を食べたくなるわけです。

お店へ行くのも、食べに行くのも、何かを買い物する時も、私は「誰から買いたいのか?あの人が作っているから食べたい」とか、「あの人がお店に立っているから行く」とか、『人』がとても重要だと思っています。

近くで信頼できる安心安全な食材を購入することに感謝して、私は川久保さんの野菜を求めてマーケットや畑へお邪魔しています。

川久保さんが野菜作りを始めて10年。周りに農業をしている人はおらず、全て自己流で作ってきました。

川久保さんのおじいさんが持っていた畑にニンニクを植え始めたことが、農業を始めるきっかけだったと川久保さんは話します。

土すら触ったことがない、ゼロの状態からのスタート。

西洋野菜という珍しい野菜を作るようになったきっかけは何だったのでしょうか?その背景には、伊万里にあるレストラン・Kate Cuoreさんの存在があります。

一顧客としてKate Cuoreさんに行ったところ、野菜のあまりの違いに衝撃を受けたそう。川久保さんとKate Cuoreさんは少しずつ仲良くなり、「あの野菜作ってよ、こんな野菜があるといいな」というやり取りの中で、川久保さんの畑には西洋野菜が増えていくようになりました。

畑を見てみると、きれいに区画分けされ耕されているわけではなく、様々な種類の野菜や花が自然の成り行きでそこに在るようにも見えます。

農薬は使わずに、自然のサイクルの中で野菜を作る。

「種をまけば芽が出る」という川久保さんの言葉からは、植物や生き物の力を信じようとする川久保さんの姿勢を見て取ることができます。

川久保さんに野菜の特徴やどんな味かお話を伺っているときのこと。ブルーマロウの種を見て、川久保さんがふとこんな話をしてくれました。

「ブルーマロウは神秘的な不思議な種なんです。どうしてこんなに進化するんだろうって。円盤みたいな形のものが1つずつ種で、種の外側がかぴかぴに乾くから、多分落ちるときに少し飛べるの。この形だから、真下に落ちるのではなく、ちょっと離れた場所に種が落ちる。不思議でしょ?

野菜たちはちゃんと意味のあるものばっかりなんですよ。意味がないことなんか何一つなくて。

あと、虫さんたちも意味をもっている虫さんたちばかりです。モンシロチョウの幼虫がついてたら、基本的に駆除するんですけど、モンシロチョウが着くのはアブラナ科の菜花だけなんですよ。キク科の花は食べないんですよ。全部切ってしまったら、みんな死んじゃう。だから棲み分けをしていて、『私はこれを食べるから』ってちゃんと決めているんですよ。すごいなと思って。

そこで私がすることは、わざといろんな野菜をバラバラに植えて、卵を産み付けられないようにします。虫はどれに卵を産んでいいのか分からないから、虫が野菜につかないようになって農薬を使う必要が無くなります」

今年はビーツの育ちがあまり良くなく小さかったといいます。その理由を聞くと、

「なぜビーツが今年は小さかったか、その理由は分からない。探らないし、探ろうともしない。私は反省しないから、成長もしない。

ときどき、うまくいかなかったときに『どうしよう』って考えるときもあります。基本的には考えないのですが。

全部『草』だから、野菜として捉えてたら一喜一憂しなきゃいけないし、どうしてもいっぱい収穫したいと思ってしまうので、草として捉えてます。

『草でいいよ』って」と川久保さんらしい回答が返ってきました。

野菜の他にも、バナナやリンゴ、アーモンドにホップと、川久保さんの畑にはとにかくたくさんの種類の苗や果樹が植わっています。

「これは何ですか?」と川久保さんに尋ねると、その野菜の特徴や川久保さんがなぜその野菜を好きなのかなど、たくさんのことを教えてくれました。野菜について話す川久保さんはとても生き生きしており、育てている野菜に愛情をかけているということが伝わってきます。

川久保さんの野菜が気になる方はぜひTIMER ORGANIC FARMERS MARKETSTOCK market(イベント時のみ販売)に行ってみて下さいね!川久保さんの畑での直接販売会はインスタグラムにて告知しております。ぜひ足を運んでみて下さいね!

【川久保農園】
Instagram:@kawakubo_farm

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