川久保さんに野菜の特徴やどんな味かお話を伺っているときのこと。ブルーマロウの種を見て、川久保さんがふとこんな話をしてくれました。
「ブルーマロウは神秘的な不思議な種なんです。どうしてこんなに進化するんだろうって。円盤みたいな形のものが1つずつ種で、種の外側がかぴかぴに乾くから、多分落ちるときに少し飛べるの。この形だから、真下に落ちるのではなく、ちょっと離れた場所に種が落ちる。不思議でしょ?
野菜たちはちゃんと意味のあるものばっかりなんですよ。意味がないことなんか何一つなくて。
あと、虫さんたちも意味をもっている虫さんたちばかりです。モンシロチョウの幼虫がついてたら、基本的に駆除するんですけど、モンシロチョウが着くのはアブラナ科の菜花だけなんですよ。キク科の花は食べないんですよ。全部切ってしまったら、みんな死んじゃう。だから棲み分けをしていて、『私はこれを食べるから』ってちゃんと決めているんですよ。すごいなと思って。
そこで私がすることは、わざといろんな野菜をバラバラに植えて、卵を産み付けられないようにします。虫はどれに卵を産んでいいのか分からないから、虫が野菜につかないようになって農薬を使う必要が無くなります」