タイヤでか!
その前に、そもそも少年なのにバイクに乗っておられる、未成年運転…。内側にはみなさんご存知のアニメ茶碗の見どころの点(cf.「ハクションポロック」)がありますね。
キャラクターを詳しく観察していきましょう。砲丸ライトに赤いバイク、黄色のマフラーに赤い帽子、黒の上下スーツにベルトです。わりと少年ヒーローものの定番アイテムが出揃っている感があります。色を記載しましたが、特撮ドラマはモノクロです。
実に厳しい戦時下状況から終戦、そこからわずか10年でこの様式が確立したと思うと感慨深いものがあります。厳密な原点は分かりませんが、少なくともマフラーといえば思い浮かぶ『仮面ライダー』(1971年)よりも早いです。
作品を見ておらず簡易に調べた範囲で恐縮ですが、漫画原作では茶碗の通りバイクに乗り拳銃で事件を解決していく少年新聞の記者の進少年が主人公で、正体を隠して戦う時はまぼろし探偵として活躍する設定です。変身ものはやはり子供のごっこ遊びに人気だったようで、レトログッズコレクターの方が思い出を書いているサイトがあったりします。
ところがドラマの方ではバイクの設定は早々に変更されて車になっていました。バイクは、あのウルトラマンのデザインを手がけた造形デザイナーの成田亨による水陸両用車「まぼろし号」に置き換わり、武器も拳銃は電波ピストルに変更されています。このあたりは教育的配慮があったのかもしれません。拳銃だと殺傷能力が高すぎますからね。
茶碗に子どもが描かれるのは、なかなか今に残る古来の茶碗には少なくて見つけることができなかったのですが、絵画では大人におんぶされる童、や家畜の世話をする牧童(ぼくどう)、子供たちで集団で遊ぶ群童(ぐんどう)やちょこんと立っている子供を単体で描くことが多いです。
こちらなんかは、みなさんも教科書で見たことがあるかもしれません。