茶杯について
茶杯は中国茶を飲むための湯呑で、サイズは一口サイズのものからマグカップサイズのものまで様々あります。お茶の味と香りをじっくりと味わうための道具です。
自ら採った三股陶石を釉薬に
この茶杯には特別なこだわりが。林夫妻の工房近くにある陶石採石場で採取した三股陶石(みつのまたとうせき)を砕いて粉にして釉薬に混ぜた「三股陶石釉」が使われています。生成りの色味に、釉薬に含まれている鉄分の小さな点が無数に広がっています。
三股陶石を採取して焼き物に使っている人はごくわずか。
温かみのある三股ベージュは、ずっと使っていたいと思わせる不思議な魅力があります。
ワイングラスのような見た目。お茶を楽しむほか、日本酒にも◎
釉薬のほかに形状も特別です。脚付きで、ワイングラスのような見た目が特徴です。持ったときに手に馴染みやすく、お茶を飲むときの所作に美しさが出ます。
別売りの宝瓶flamingoは茶杯と同じ釉薬を使っており、茶器セットとして一緒に揃えるのもおすすめです。
茶杯は満水で60cc入り、お茶を楽しむカップとしてはもちろん、日本酒を注いで盃としてもお使いいただけます。
卵をのせるエッグスタンドにもなる
カップのほかにエッグスタンドにもなります。
ヨーロッパの朝食には欠かせないエッグスタンド。毎朝の食卓にエッグスタンドがあるだけで、カフェ気分になり気分がちょっぴり上がりそう。
エッグスタンドがあれば、塩など調味料をかけながら卵をきれいに食べることができます。
誕生日プレゼントや、2個セットで結婚祝いにもおすすめです。
制作の様子
茶杯は林さんが蹴ロクロで制作したものを元に型屋さんで石膏型をつくり、その型を使用して鋳込み成型で作られています。林さんの妻・百々子さんが鋳込み成型から釉薬掛け、仕上げまでを行っています。制作の様子をご紹介いたします。
鋳込み成型
①鋳込み成型には「泥しょう」と呼ばれる液状の土を使用。使う前に泥しょうを攪拌し、濃度を均一にします。
②攪拌した泥しょうを石膏型に流し込みます。
③泥しょうに含まれる水分が石膏型に吸収されていくので、少し時間をおきます。様子を見ながら泥しょうを型に追加していきます。
④待っている間に先ほど使用した撹拌機についている泥を筆できれいに落としていきます。泥も資源であるため、無駄にしないために行います。
排泥
⑤少し時間をおいたら、型をひっくり返して土を外に出します。
⑥土が完全に出るまでひっくり返します。
⑦排泥した後。
⑧カップの内側の底がへこんでくるので、スポイトで部分的に泥しょうを追加します。
⑨型の表面に付いた土を竹の棒で取っていきます。
⑩取り除いた土を入れる容器
⑪バケツにためて、再生土として余った土を再利用します。
脱型
⑫しばらく待ち、石膏が土の水分を吸収して型から取り外します。
⑬ぱかっときれいに取り外せます。
⑭脱型後の茶杯
しのぎ彫り
⑮型から取り外したら余分なパーツを切り取ります。
⑯石膏型の合わせ面にできるバリ線を竹棒でならします。
⑰表面を整えたら、しのぎをかんなで彫ります。下書き無しで一本一本感覚を頼りに彫っていきます、
施釉
⑱しのぎを彫ったら「三股陶石釉」を施釉します。
⑲施釉したら高台部分の釉薬をスポンジでふき取ります。
⑳ふき取りが終わった茶杯。
㉑釉薬が乾くまで天日干しにして、乾いたら窯に入れて焼成します。
たくさんの工程を経て、丁寧な手仕事で作られている「茶杯」。そんな愛情をかけて作られた器を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか?
オンラインショップでは林さんのほかのアイテムも取り扱っておりますので、ぜひご覧ください。