色絵? 古伊万里? 延宝様式?
「色絵」とは?
色絵は、透明な釉薬をかけて本焼した上に、絵の具や転写紙で絵付けし、約800度の低い温度で焼いて仕上げる技法のことです。波佐見町では上絵や赤絵と呼んでいます。
「古伊万里」とは江戸時代に佐賀・長崎で焼かれた焼き物のこと
江戸時代に肥前(佐賀・長崎県)で焼かれた元禄・享保以前の古い格式の作風の磁器を「古伊万里」といいます。江戸時代初めの1610年代ごろから江戸時代終わりごろ(明治期を含むことがあります)までつくられました。
古伊万里に含まれる産地は佐賀県の有田焼や志田焼(塩田)、長崎県の波佐見焼、平戸焼(三川内焼)などです。
なぜ「古伊万里」と呼ばれていたかというと、江戸時代に伊万里津(港)から船で各地へ積み出されていったからです。つくられた産地ではなく、港の名前をとって伊万里焼と呼ばれたのです。
「延宝様式」とは江戸時代延宝期に作られた古伊万里のこと
延宝期とは1673年から1681年までの期間。江戸幕府将軍は徳川家綱、徳川綱吉さんです。
延宝様式は柿右衛門様式ともいい、江戸時代延宝期、輸出の全盛期に作られていた古伊万里を指します。
延宝様式の色絵は伝統的な和絵の具を使用する為色が限定されています。和絵の具はガラス質を多く含むため絵の具自体に透明感があるのが特徴です。中国大陸から伝えられたもので、焼く前と後で絵の具の色が大きく変化します。
延宝様式の余白が多い和風のデザインは中国色絵磁器には見られなかった新しい作風のものとしてヨーロッパ世界から注目をされ、ヨーロッパ磁器の始まりに大きな影響を与えました。
古伊万里の輸出は全盛期を迎え、古伊万里磁器は輸出製品の製作を期に作風に大きな変化がおきました。染付に対して赤絵、色絵磁器も技術が上質のものとなり、寛文から元禄にかけて色絵の技術が最盛期となります。
古伊万里磁器は日本各地はもちろん、長崎の中国商人やオランダ商人の手で、東南アジアや中近東、ヨーロッパまで運ばれ、王侯貴族の宮殿を飾りました。
第一期 | 創始から寛永・正保・明暦年間に染付を主体とした青磁・白磁などの初期の染付 |
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第二期 | 正保・明暦・寛文・延宝年間に赤絵の創始 |
第三期 | 延宝~元禄・享保年間に輸出の全盛期となります。 初期の伊万里染付磁器は日常雑器として焼造されていましたが、オランダ東印度会社より注文を受け、輸出用磁器として多量に生産されるようになり、内需用の製品が見られなくなりました。 |
400〜600年前の古典柄を現代のペットと入れ替えてリデザイン
コンゴウインコ
松竹梅が配置された大変おめでたい「花鳥文」の図案。梅の枝にとまっていた小鳥が、アマゾン川流域に生息し太陽神を守る神聖な鳥とされる美しいコンゴウインコになっています。
パグ
延命長寿の象徴の動物であり、秋の風情を表す柄として古くより様々な工芸品に用いられてきた「鹿紅葉文」。躍動感ある鹿の文様が、楽しそうにはしゃぐパグになりました。
鹿紅葉文皿
1700年代
生産地:佐賀県 有田
エキゾチックショートヘア
樹花文の中に、魔除け厄除けを意味する唐獅子に替わり、眼光鋭いもふもふのエキゾチックショートヘアをあしらいました。家の守り神として見張ってくれています。
色絵唐獅子牡丹文十角皿(柿右衛門様式)
1670~1690年代
生産地:肥前・有田・南川原山
佐賀県重要文化財
資料引用元:九州陶磁文化館
唐獅子には「魔除け、厄除け」、大きな口で火を吹き消すとの謂れから「火難避け」等の縁起があると云われています。
中国では唐獅子といいますが、朝鮮を経由してきた日本では狛犬(高麗犬)、中国から沖縄に伝わった唐獅子はシーサーになったそうです。
中国に伝わった唐獅子は強さの象徴、縁起の良い生き物と考えらました。
ウーパールーパー
財産が余るという意味の吉祥柄「魚藻文」の草魚を、80年代日本で大ブームとなったウーパールーパーに置き換えました。
ウーパールーパーの正式名称はメキシコサラマンダー。幼生の特徴を保持したまま成熟するという珍しい特徴を持つ両生類。メキシコサラマンダーは、体の一部を失ってもそれを再生する機能を持っています。アステカ神話の中では死と再生の象徴とされています。
五彩魚藻紋蓋付大壷
生産地:明/中国 景徳鎮
資料引用元:文化遺産オンライン
中国では魚は川を伝わり、幸運を招くという言い伝えがありました。また、たくさんの卵を産むことから「子孫繁栄」の意味合いもあり、富と幸福の象徴とされ、たいへん縁起の良い文様とされています。古伊万里でも魚型の皿や魚モチーフのデザインが数多くあります。
ピグミーヘッジホッグ
「葡萄栗鼠文(ぶどうりすもん)」は、多産、豊穣、長寿などを意味し、縁起の良い吉祥文様とされています。ネズミに似ていることから子孫繁栄の縁起柄とされたリスが、かわいいピグミーヘッジホッグ(ヨツユビハリネズミ)になりました。
色絵葡萄栗鼠文瓢形水注
江戸時代・17世紀
作者:伊万里(柿右衛門様式)
所蔵:東京国立博物館
欧州向けに作られた瓢形の水注で、作風から1680年代前半の作と推測される。葡萄は「武道」、栗鼠は「律す」に通じ、武家好みの意匠である。しかし、本来は中国の吉祥意匠を図案化したもので、伊万里焼の陶工は中国仕立の文様として捉らえていたのであろう。
資料引用元:ColBase
色絵シリーズのアイテムは3種類
そばちょこ
そばちょこは万能なフリーカップ
カップとしてはもちろん、デザートを入れたり小鉢として使用したりと様々な用途にご使用いただけます。
小皿
小皿は、日常使いやおもてなしにも◎
お茶請けの和菓子をのせてもよし、お正月やお祝い事などハレの日の小皿として使うもよし。
普通の日からちょっと特別な日まで、幅広く様々なシーンでお使いいただけます。
菊形鉢(中)
菊形の形が食卓を華やかにします
深さがあり、取り皿や副菜を盛りつけるのにちょうどよいサイズ感です。
重ねて収納もできるので、シリーズで揃えると見栄えも良くなります。
番外編
発売以来、高い人気のBARBAR色絵シリーズですが、素敵なネイルに落とし込んでくださったファンの方もいらっしゃいます。
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About Creator
新里李紗
EC/Director
Illustrator